ついに禁断の扉は開かれた。
ティンクが ♪シ の音を唄ってしまったのだ。
この先いったい何がおきるのだろうか????
おびえながら、頭をかかえているフックと手下の海賊。
あわてるティンク。
神妙な面持ちのこどもたち。
ただ一人ピーターだけが、静かに、うん、とうなずいた。
すると、LA-BOTがゆっくりと動き出し・・・
美しい声で「詩」の朗読をはじめた。
・・・あなたの すむ せかい
・・・わたしが すむ せかい
・・・なにが よくて なにが わるいか
・・・なにが うそで なにが ほんとうか
・・・いつも あべこべ みんな あべこべ
・・・でも いまだけ は こっちむいて
いっしょに てを たたこう
・・・でも いまだけ は こっちむいて
いっしょに こえを あわせよう
・・・オヴァ オヴァ オヴァ ハオ ハオ ハオ
・・・みんな しってて みんな しらない まほうの ことば
・・・そらに とばそう
・・・そらを とんでいきたいから
しばしの静寂のあと・・・・
だれからともなく拍手が起こった。
パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ !!!!!
「!っえ?」
みんなからの拍手に、意外な顔で驚くフック。
「・・・笑わないの?」
「笑うもんか」 ピーター。
「♪シ は 死(手で首を切るポーズをしながら) じゃ無かったんですね・・・」 手下の海賊。
「♪シ って 詩(両手を胸の前に広げるポーズをしながら) のことだったんだ」 タイガーリリー。
「♪シの音を唄うと世界が滅ぶなんて、言ったの誰よ?」
・・・・・っえっえ?、あたし????」 と、ティンク、みんなにじろっとにらまれ、たじろぐ。
「いやいやいやいや、いや、そんなうわさがね?風のたよりに・・・・ううっ、ごめんなさい!!!」
「ほんとに、あたし、知らなかったのよ、それに、勝手な思い込みしちゃってて。
でも、良い詩よね・・・
・・・・あ、そうだ、良いこと考えた!この詩、歌詞にして歌を作ってみない?」
一同 「いいね~~~~!!!」
「・・・そうね、たとえばこんな風に。」
「♪ あなたの~すむ~せか~い~、はい!」
こどもたちが続いて唄う
「♪ あなたの~すむ~せか~い~」
「♪ わたしが~すむ~せか~い~、はい!」
「♪ わたしが~すむ~せか~い~」
一同、声を合わせて、
「♪ なにがよくて~なにがわるいか~なにがうそで~なにがほんとうか~tru...tru...tru...tru...tru..truth・・・・・・」
美しいハーモニー♪♪♪
「うわあ!きれい・・・」
「ぐすっ」
涙をぬぐうフックと、
ぽんぽんとフックの肩をやさしく叩いてなぐさめる、手下の海賊。
ピーターがフックの前に右手を差し出した。
「握手しよう!」
「しょうがねえな・・・」
ピーターとフックががっちりと握手をした。
はいはいはい!いきおいよく手を3回あげながらティンクが言った。
「この曲をネバーランドの国歌にしない?」
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かくして、ネバーランドの国歌が出来上がった。
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ネバーランドの国歌が完成して唄われたあと、
100年の眠りから覚めて、だけどそのあと、うっかりまた寝ちゃっていたワニが目を覚ました。
「ふわあっとっとととと」あわてて口をふさぐワニ。
身構えていたが、ワニが口をふさぐのを見てほっとする一同。
「あやうくまた100年寝ちゃうとこだったわ」
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お・ん・が・く って す・て・き だな。
.................The end
最後までお読みいただきましてありがとうございました!