「ごきげんよう」
(いままでクリスマス島だとみんなが思っていた・・・)巨大なワニは、
とても礼儀正しくおだやかな人柄、いや、ワニ柄のようだ。
だが、フックと手下の海賊にとっては、ただ怪物にみえたようで、
「ぎゃ~~~~~~!」
と叫び声をあげながら、あわてて海賊船に乗り込み、すたこらさっさと逃げてしまった。
「おや、まあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
巨大ワニは逃げる海賊たちを見送りながら、少し残念そうにつぶやいた。
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海賊たちが去って、
「ワニさん、こんにちは。」
「こんにちは。」「こんにちは。」
ピーターやこどもたちは、礼儀正しく、巨大ワニにご挨拶をした。巨大ワニがそうしたように。
「こんにちは。」巨大ワニが応えた。
「なんだかずいぶん長くお昼ねしちゃったみたい。ふわあぁぁ・・」
巨大ワニが軽くあくびをすると、
ぶわああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!
すごい突風!
「ひゃ~~~~~~~~~~~~!」
こどもたちは飛ばされないようにお互いしっかりと手をつないでこらえた。
もちろんピーターは帽子を飛ばされないように。
「あらごめんなさい・・みなさんご無事かしら?」
「だ・だ・だいじょうぶだよ。」
ピーターが答えた。
「それより、・・・なんか、ありがとう。」
「なんのことかしら?」とワニ。
「今ね、こどもたちがフックに追っかけられていたんだ。
ワニさんが出てきてくれたおかげで、フックが逃げて行ったからさ。」
「なんだかよくわからないけど、いえいえ、どういたしまして。」
「何かお礼をさせてよ。」
こどもたちが言った。
「いや、そんなお礼なんて・・・」
ワニがブン!と首を振ると
反対側のしっぽがブ~~~~~~~~~~~~ン!とおおきくうねり、
こどもたちはあわててしっぽから逃げた。
「・・・・・ワニさんの好きなものって、なに?」
「そうねえ・・・・・・。お・ん・が・く?」
「お・ん・が・く!!!」
それなら、みんなの得意わざだ!
to be continued................................